予防の大切さ
疾患の早期発見のために
歯周病は、誰がかかってもおかしくない疾患です。初期の段階では自覚症状がないため、ご自分で気づくことは難しいのですが、症状が現れる頃には病状はかなり悪化しています。症状が出てからの治療は患者さまへの負担も大きく、最悪、歯を失う可能性もあります。
そうならないために、歯科医院で定期的に歯の健康状態をチェックし、ご自宅では歯磨きをして、お口の環境を清潔に保つことが重要です。
予防治療について
予防治療は全身の健康にも貢献
虫歯や歯周病は、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病とも深い関係にあることがわかっています。特に歯周病の原因菌が出される毒素は、血液にのって全身に運ばれることで心筋梗塞や脳梗塞、低体重児の出産や早産、誤えん性肺炎、認知症までも誘発するといわれています。
予防治療で歯の健康を保つことは、全身の健康維持にも効果的です。
当院の予防治療
基本は毎日の歯磨きです
予防治療の基本は、3カ月ごとの定期検診です。ただし定期検診を続けていれば、虫歯や歯周病にならないわけではありません。
毎日の歯磨きなどご自身でケアしなければ、病状は悪化します。定期検診を「異常がないことを確認する場」だと考えていただき、「いまの状態を知る機会」としてとらえていただきたいのです。ここでわかったリスクを抑えるために、ご自身でケアを続け、3カ月後に再び検診で状態を確認する。この繰り返しで、歯の健康を維持していきましょう。
定期検診について
当院の検診はすべて保険適用です
定期検診では、必要に応じてレントゲンで変化がないかを確認したあと、歯科衛生士が患者さまのお口のなかをチェックし、クリーニングを行います。
検診の内容は、以下のとおりです。
歯周ポケットの深さをチェック
歯と歯ぐきの間にある溝を歯周ポケットとよびます。磨き残しがあると、歯周ポケットに歯垢がたまり、歯周病を引き起こします。
歯周ポケットの深さが3mmで黄色信号、4mmを超えると歯周病です。
クリーニング
歯周病の原因となる歯垢や細菌の塊であるバイオフィルムを専用の器具や機器を使って取り除きます。歯に着色汚れがある場合も、ある程度はクリーニングで落とせます。歯科衛生士が歯磨きのポイントなどご自宅でのケアについてアドバイスします。
予防治療でよくある質問
- Q.毎日歯磨きをしても歯垢はたまりますか?
- A.毎日、食事のたびに歯を磨いたとしても、どうしても磨き残しがあり、歯垢となって歯に付着してしまいます。汚れが蓄積すると、歯ブラシで落とすことができません。そのため、3カ月に1度の定期検診と歯のクリーニングをおすすめしています。
- Q.上手に歯を磨くためにはどうすればよいですか?
- A.お口の状態は患者さまそれぞれ異なり、歯並びによって磨き残しを防ぐポイントも変わってきます。定期検診時に歯科衛生士がブラッシング指導を行いますので、気になることがあればご遠慮なくご相談ください。
- Q.歯のクリーニングは痛みがありますか?
- A.基本的に痛みは伴いませんので、麻酔は使いません。しかし、いつもの歯磨きで出血があるような方の場合は、少し痛みを感じるかもしれません。